2018年2月16日金曜日

展示&トーク「変わらぬ原作、変わり続ける翻訳―― 日本とK・チャペックの文学」の予告

K・チャペックが亡くなったのは、第2 次世界大戦勃発の前夜、1938 年の12 月のことであり、2018 年は没後80 周年にあたる。チャペックの作品は、作家自身の生前から欧米に遅れること数年で日本でも盛んに翻訳され、戦前から21 世紀の今日にいたるまで数多くの読者に親しまれ、その人気は今もなお衰える気配がない。これは他国に類を見ない現象である。大正・昭和・平成に刊行されたチャペックの邦訳をみると、誰でもまずその数に驚かされるだろう。本展示は、約一世紀にもおよぶ、日本におけるチャペックの翻訳史を回顧し、チャペックの文学を日本の読者に届けた翻訳者にも光を当てる。年代順に並べられるチャペックの邦訳を追っていくと、どの時代にどのような翻訳が刊行されてきたのかを知るばかりではなく、チャペックの文学が日本でどのように認識されていたのか、時代にともなってその認識がどのように変わってきたのかということも読み取ることができる。限られたスペースではあるが、むかし愛読した本との思いもよらない再会、知らない本との新しい出会いがきっとここで待ち受けているだろう。




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